例年通り、前半はノーハンデのチームが上位を独占
このレースはセーフティカーが先導するローリングスタートを採用しています。隊列が整ってシグナルがグリーンに変わるとともに藤原清志副社長がマツダの社旗を振り下ろして、決勝が始まりました。今年もまた、前年上位など有力チームのスタートドライバーには実行委員会が決めたハンディキャップを消化する義務があります。前年優勝チームの「ENGINE」は240秒、同2位の「Gaora Sports」が180秒、そして最多優勝の「Tipo/Daytona」と同2位タイの「J-WAVE」は120秒、その他8チームにも60秒のピットストップが課せられました。

1時間経過時点ではマツダの役員とテストドライバー経験者で構成した「マツダ(人馬一体)」がトップ。以下6位までがノーハンデのチームでした。折り返しの2時間経過時点でも「人馬一体」は「CAR GRAPHIC」に次いで2位。さらに給油を終えた3時間経過時点では「人馬一体」が逆転してトップに返り咲きます。2000年に一度2位に入賞して以来、近年は8位がベストリザルトで伸び悩んでいたチームが大きなチャンスを迎えました。

ただ、終盤になるとハンデの重かった有力チームが徐々に追い上げてきます。3時間経過時点で2位には2016年の優勝チーム「Hot-Version」が同一周回の2位まで追い付き、1周遅れの6位には2017年優勝の「J-WAVE」、7位には初参加ながら実力者揃いの「LOVE CARS!TV!」が迫ってきます。

上位チームが目標にしたのは、ほぼ同じ条件で「J-WAVE」が優勝した2017年の182周を走りきること。筑波サーキットは1周が2.045kmなので、60リットルでその距離を走破するには最低でも6.2km/ℓ以上の燃費で走る必要があります。各チームに取材したところ、「そこまでは厳しいが180周には届くかも」という情報が入ってきました。昨年のような中断もなく、アクシデントでセーフティカーが先導することもなかったので、速く走りたいが燃費も落としたくない……という難しいレースになりました。






本当の勝負は残り30分、いや20分から始まった
本当の勝負は全チームのアンカーが乗車し終わった残り30分からでした。まだ「人馬一体」がトップでしたが「Hot-Version」が背後に迫り、「J-WAVE」も同一周回まで挽回に成功。その2周後、「Hot-Version」が逆転してトップに立ちますが、残り20分でなんとストップ。今回初のガス欠リタイアとなりました。さらに残り15分、今度は「J-WAVE」がトップに立ちますが、「人馬一体」とともに燃費が厳しいのか、ペースが今ひとつで後続のチームがぐんぐん追い上げてきます。

残り10分。コース上に止まったり、スロー走行でピットに一度戻ったりするマシンが目立ってきます。171周を走りきった時点で、「J-WAVE」「人馬一体」「トヨタイムズ」「LOVE CARS!TV!」「サポートカンパニーズ」「Tipo/Daytona」の6台が同一周回。この中では「トヨタイムズ」の“峠で育った現役レーサー”佐々木さんの速さが際立っていました。165周目には1分12秒633という断トツの最速ラップを叩き出し、残り2分30秒という最終盤に2位に浮上します。

さらに順位は動きます。なんと179周目に1分13秒898という最速ラップを記録した「LOVE CARS!TV!」も「人馬一体」をとらえて3位と4位が逆転。5位には「サポートカンパニーズ」が粘りの走りで入賞します。そして180周目、「ザ・モーターウィークリー」がトップと同一周回に滑り込んで6位入賞を果たします。同チームの津々見友彦さんは1963年の第1回日本グランプリにも出場したレジェンドドライバーで、77歳の今回をもって引退を表明されていましたが、見事にその花道を飾りました。

最後は「トヨタイムズ」の追撃を5.9788秒という僅差で凌ぎきった「J-WAVE」が180周を走りきり、2年ぶりにトップチェッカーを受けました。2014年の初参戦以来、6戦4勝という驚異の勝率です。終盤は少しペースを落としたこともあり、6位の「ザ・モーターウィークリー」までが同一周回という結果です。2位と3位、5位に初参戦のチームが入るというルーキーが大活躍した記念の第30回大会ともなりました。

「J-WAVE」チームを率いるDJのピストン西沢さんは、1997年の第8回から参加。2005年の第16回大会では「ベストモータリング」のメンバーとして初優勝。さらに2014年の第25回(3代目NCによる最終回)からは自らDJを務めるラジオ番組でチームを結成し、初参戦で初優勝を飾っています。4代目NDロードスターは左ハンドルのグローバルMX-5カップカーを含めて、なんと4台を購入したというロードスター愛の持ち主です。









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